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「ハブリス・コミック」| 廃れることのないウェイストランドの流行文化

2020-07-17

漫画や映画ファンの間でいつも話題となるスーパーヒーローといえば、MARVELとDCのスーパーヒーローだろう。「どのヒーローが一番強いか?一番かっこいいか?」こういったファンの間の論争は永遠に答えが出ることはないであろう。スーパーヒーローが大人気であることの裏には、現代人の社会や世界、そして未知の領域への華やかな幻想がある。




『Fallout』の世界では、戦前に有名な漫画出版会社が、人口に膾炙した大人気漫画を発行していた。それは、『Fallout』ファンなら誰もが知っている『ハブリス・コミック』だ。この漫画の出版会社はゲーム内のボストン地区に位置しており、実際のボストンにある「Newbury Comics」がモデルになっている。この漫画ショップは、1978年に漫画好きの2人のマサチューセッツ工科大学の学生によって始められたのである。




『ハブリス・コミック』はMARVELやDCと同様、スーパーヒーロー漫画を売りにしている。世界に災難が降りかかる前、『ハブリス・コミック』のスーパーヒーローは一世を風靡していた。子供たちはみんな「シルバー・シュラウド」、「マンタマン」、「ミステリーの女王」、またヒーローたちが力を合わせた最強チーム「アンストッパブル」に憧れの心を抱いていた。このスーパーヒーローブームは世界の終末が来るずっとまで続いた。

 

しかし、たとえ世界が荒廃したとしても、『ハブリス・コミック』は廃れることはなかった。『ハブリス・コミック』が死に物狂いで生き延びようとするウェイストランド住民たちの心の支えとなったことは必然なのだろう。

 

とてつもなく荒廃した世界に生きる人々は、せめて漫画の世界の中に、わずかな慰めを見つけようとしているのかもしれない。

 

 

『ハブリス・コミック』の物語はこれから始まる……(乞うご期待)